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OKTOBER

1 - 7, 2018

主催:墺日協会

FILMCASINO

MARGARETENSTRASSE 78, 1050 VIENNA

ディストラクション・ベイビーズDestruction Babies

2017年10月3日   22:00

Japan 2016,  108

監督

真利子哲也

脚本

真利子哲也

出演者

柳楽優弥

菅田将暉

小松菜奈

2011年の愛媛県松山市 。両親を早く亡くし、港町で喧嘩に明け暮れる18歳の泰良(柳楽優弥)は、ある日同居していた弟の将太の元から姿を消す。繁華街に現れた泰良は、何の意味もなく道行く人々に襲い掛かり暴力沙汰を起こし続ける。止めに入る人を殴りつけ、勝ち目がないグループにも襲い掛かかり、意識がなくなるまで痛めつける。世間のルールは通じず、どんなダメージを与えてもニヤニヤわらい、ゆらゆらと立ち上がり何度でも襲い掛かってくる泰良はまるでモンスターだ。高校生の祐也は、その打算のない暴力を振るい続ける泰良に魅せられ、携帯でビデオを撮りながら、共に暴力沙汰を繰り返し世間から注目を集める。ある日二人は車を盗み、車に乗っていた那奈を拘束して街を去る・・・。

 

目的も理由もなく、ただ偶然そこに居合わせた人間に向けられる沈黙の暴力。人を傷つけ、同時に自分も傷つけることでしか生きられない若者。腫れあがった顔は勝利のトロフィーであり、犯した罪への忠告ともとれる。これは日本版の『ファイト・クラブ』ではない。彼らの無意味な行動は、極端に恐怖に満ちた残酷さの爆発なのだ。

 

この作品には60年代初期の松竹作品に見られるニヒリズムが想起される。監督の真利子哲也のキャリア最高傑作であると同時に日本映画の現地点を示す。国外での受賞は、第69回ロカルノ国際映画祭( 2016)最優秀新進監督賞、第38回ナント三大陸映画祭(2016 )銀の気球賞(準グランプリ)。国内では、第26回日本映画プロフェッショナル大賞で作品賞。

© 2017 Österreichisch-Japanische Gesellschaft•墺日協会

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